夫婦間での話し合いでは、離婚が出来ないときは、夫婦の一方が家庭裁判所に離婚の調停を申し立て「調停離婚」によって離婚する方法を考える必要があります。
離婚の調停では、夫婦間で話し合っても離婚の合意ができない場合や、離婚の合意はできていても、離婚に伴う問題が夫婦間で解決できないために離婚に踏み切れない場合などに、家庭裁判所が夫婦の間に入って、離婚問題を解決するためのサポートをしてくれます。
調停という方法を利用すれば、離婚そのものだけではなく、離婚に伴う「お金の問題(財産分与)」や「子供の問題(親権、面接交渉権、養育費)」なども同時に解決することもできます。
ただし、家庭裁判所が判断を下すのではなく、協議離婚と同様に、最終的には夫婦の合意がなければ調停離婚は成立しません。
離婚した夫婦の約10組に1組は「調停離婚」によって離婚しています。
【調停の申し立てに必要なもの】
調停は、妻が一人で申し立てることができます。以後、申し立てた方の人は「申立人」、もう一方の人は「相手方」と呼ばれます。申し立ては、「離婚(夫婦関係事件)の調停申立書」に必要事項を記入して提出します。
調停申立書は全国の家庭裁判所に置いてあり、無料でもらうことができます。また、夫婦の戸籍謄本も添付書類として必要です。離婚理由の証拠も添えましょう。申立書の記入は、自分で書くことが出来ます。
申し立て書の「申し立ての趣旨」の欄は、「円満調整」と「夫婦関係解消」に分かれており、離婚を希望するなら、「夫婦関係解消」選択し必要事項を記入します。養育費、慰謝料、財産分与は、夫婦の経済状態を考慮して、希望の金額を書きます。「申し立ての実情」の欄には、離婚を決意するまでに至った事情と経緯を簡潔に記入します。
申し立て費用は裁判所によって多少異なりますが、収入印紙900円と切手代800円の計1500円程度です。
【申し立て先】
原則として、相手方の住所の家庭裁判所に申し立てます。住所とは今現在住んでいる場所のことをいい、本籍地や住民票の有無は関係ありません。実際の調停も申し立てた裁判所で行われるので、別居している場合は、相手方の住所の家庭裁判所に出向くことになります。また、夫婦間の合意があれば、調停の申し立てと同時に、裁判所を指定できます。その際は、指定した裁判所に合意書を提出することが必要です。
相手方の同意は得られないが、小さい子供を抱えていたり、健康上の理由などで遠くまで出向けない場合は、その理由を「上申書」に書き、最寄りの家庭裁判所に願い出れば、裁判所を変更してもらえる可能性もあります。
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